Opera Dragonfly

WebブラウザOperaの全く新しい開発者用ツール「Opera Browser | Faster, Safer, Smarter Web Browser | Opera」が公開されました。ティーザーサイトでカウントダウンしていたので張り付いていました。http://dev.opera.com/articles/view/introduction-to-opera-dragonfly/によりますと、現在のところJavaScriptデバッガー、DOMインスペクター、CSSインスペクター、コマンドライン、エラーコンソール、モバイル端末から直接デバッグできるプロクシの6つの要素から成ります。現段階ではまだアルファバージョンで、これから数ヶ月のうちにもっと素敵な機能が付け加えられるようです。

さてここまで書いてきて、なんだかFirefoxFirebugプラグインを思い出しますが、このDragonflyには強烈な特徴があり、Webアプリケーションがベースとなっています。つまりOpera社のWebアプリケーションをOperaブラウザの一機能として統合した、開発者用ツールというわけです。このことでアップデート不要かつ、モバイル端末からも利用できるという特性を持ったんですね。現在のところOpera 9.5を含む、Presto Core-2.1以降のレンダリングエンジンを持つブラウザで動作するようです。デスクトップ版Operaやモバイル版Operaの他にも、例えばWiiに搭載されたOperaでも動作することになるのかもしれません(現在はまだできません)。また今後他のブラウザでも使えるようになるかもしれません。

Dragonflyの用途はおそらく、モバイル用のウェブページを作る際に、モバイル端末で動作を確認しながらコンピュータでコードを書き換えていくような作業を想定しているのでしょう。Operaブラウザがデスクトップ版以外にも、モバイル向けや組み込み向けにどんどん進出していくための環境づくりなのだと考えられます。このあたりはAppleiPhoneの開発者向けに強力な開発ツールを用意したことにも似ています。このDragonflyによって、Operaブラウザはモバイル版ブラウザ戦争において大きなアドバンテージを得るでしょう。また「Opera Link is now closed | Opera」という(Operaのブックマークやスピードダイヤルの設定などをOpera社のサーバーに預け、様々な環境のOperaをすべて同期してどこからでも同じ環境を利用できる)Webベースのサービスがあることからも、Operaの戦略はデスクトップやモバイル、はたまたWiiという様々な端末で統一的な体験を、というものなのでしょう。

こう考えるとOperaってすごいですね。ある種の「おもてなし」なんですかね。まあとりあえず僕もDragonflyを試してみようと思います。